翻訳者や通訳者は列記とした職業です。もちろん「翻訳者」という言葉自体を耳にするとそれは当たり前だと思う人は多いと思います。しかし実際に日常の中で、「翻訳者の無償労働」が強制させられている、なんていうことはわりとよくあることだと気づいている人も、少ないでしょうがいます。私も実はその一人です。
私は本業として翻訳をしているわけではありません。学生の頃からバイト感覚でたまに頼まれたりすることがあります。大学生の頃からやっているので、本業でないにしても素人よりは大分翻訳のキャリアを積んでいるつもりではあります。少なくても今までやらせていただいたビジネス資料等の英語翻訳のお仕事でお金をいただいていたことは事実です。
しかしそういった仕事をそれなりに経験しているにも拘わらず、「翻訳者」を職業として甘く見ている人たちがたまにいるのです。いわゆる「ねえねえ、〇〇語できるんだったらこれ訳して」と知り合いの論文の要約の部分を英語に丸々訳したことがあります。あまり気が向かなかったのですが、引き受けてしまいました。特に何もお礼はありませんでしたね、口頭のお礼はもちろんありましたが。
そして「アメリカから日本語が分からない友達が旅行で来るから一緒に遊ぼう」と友達に誘われ、結局一日中友達の友達の専属通訳士を強制的にやらされたこともあります。これはかなり腹立たしい経験でしたね。帰るときには喉が痛くて疲れ果てていました。
でもこういうことって翻訳や通訳をする能力のある人、そして実際にそれを仕事としてやってきた人にありがちな自体だったりするのではないでしょうか。翻訳は「物」ではなく「サービス」の一種の業界、いわば「能力」をお金に換えている職業ですよね。でも「物」がなくなるわけではないのでいくら利用しても無料で当然と思い込んでしまう配慮がない人たちは少なからずいます。
例えばマッサージ師の友達がいるとします。そのマッサージ師に「ねえねえ、仲良いんだから1時間無料でマッサージして」と言っているのと同じ行為なのですよね、無料で翻訳や通訳の作業を知り合いにさせる行為は。もちろん度合いにも寄りますが。極端に言うと万引きや無銭飲食のようなものです。
サービスを提供している職業とは目に見える「物」を提供しているわけではないためその労働力が軽視されることがたまにあります。是非それをされる立場の人のことを考えて欲しいと思うばかりです。